乳がんのこと 第3幕~車に2週間分の荷物をのせ、夫の運転する車で病院に向かいました。 私の病室は4人部屋で、ベッドは入り口から向かって右奥の窓側でした。 向かい側は同じ日に手術をするNちゃんです。 昨年12月25日の一泊検査の時にすでに会って仲良くなっていたので、 この日も、 「おはよーーー」 「もうパジャマに着替える?」なんてノリでした。 Nちゃんは偶然にも同じ年齢で、しかもお互い父親を同じ2002年に これまた同じ食道がんで亡くしていました。 荷物をしまいパジャマに着替え終わると、 私の夫もNちゃんの旦那さんも、することがなく手持ち無沙汰で 居辛そうです。 Nちゃんの旦那さんが帰ることになり、 「見送ってくるわ」と病室を出てしまったので、 私も 「もう帰ってもいいよ。」というと、 夫は 「写真とっておこうか。傷のない最後のおっぱい 記念に撮っておこうよ」 「デジカメ持ってきたの?」 「うん、もってきた」 カーテンを引いて、ちょっと恥ずかしかったけど撮ってもらいました。 『今までたいした手入れもしてあげられなくてごめんね。 どんな姿になっても自分の胸だもの。大好きだからね。』 と心の中でつぶやきました。 そして写真を撮り終わると、何もすることがなくなった夫は、 「この部屋は暑い、暑い」といいながら帰って行きました。 明日の手術は、私と同室のNちゃん、そして廊下をはさんで反対側の 部屋にいるSさんとHさんの2人を合わせて4人です。 ナースが呼びにきて、オリエンテーションが始まりました。 |